美容クリニックの内装工事を計画する際には、来院から帰宅までの一連の流れをイメージし、そのうえで必要な空間を計画することが重要です。以下のステップに沿って、各部屋の数を決めるプロセスをわかりやすく説明します。
来院から帰宅までの流れをイメージする
まずは、患者がクリニックに来てから帰宅するまでの一連の流れをイメージしましょう。一般的な美容クリニックでの流れは次のようになります。
- 来院:受付でのチェックイン
- カウンセリング:患者の要望を聞き、適切な施術を提案
- 診察:医師による診察
- 契約・会計:施術内容の決定と支払い手続き
- 処置・手術:施術の実施
- 帰宅:アフターケアの説明と帰宅
各ステップで患者と関わるスタッフの役割を明確にし、それに基づいて導線を設計することで、スムーズかつ効率的なクリニック運営が実現します。
来院から帰宅までの流れをイメージする
以下、それぞれのステップにおいて誰が対応するか、またどのように動くかを考慮するポイントを解説します。
来院:受付でのチェックイン
| 担当者 |
|---|
| 受付スタッフ |
カウンセラーが兼任する場合、や少人数で運営する場合には看護師が兼任する場合もあります。ただし来院患者数が一定数を超えると受付専門スタッフが必要になります。
受付から待合までの誘導・案内
待合が個室の場合は個室へのご案内業務も必要です。カウンセリング室へ直接ご案内する業務フローもあります。
2. カウンセリング:患者の要望を聞き、適切な施術を提案
| 担当者 |
|---|
| カウンセラー |
クリニックの方針によっては医師がカウンセリングと診察を同時に行う場合もあります。
待合からカウンセリング場所までの誘導・案内
カカウンセリング室へ誘導後、すぐにカウンセリングをする業務フローかどうかで、案内担当が受付スタッフのケースとカウンセラーのケースがあります。カウンセリング前に洗顔が必要な場合にはそれらの案内も担当します。
診察:医師による診察
小規模な美容クリニックでは医局を設けることがありませんので、診察室が実質医師の常駐場所となるケースが多いです。
| 担当者 |
|---|
| 医師 |
カウンセリング室から診察室までの誘導・案内
カウンセリング後、医師以外の職種者が案内するケースがほとんどです。カウンセラー配置のクリニックではカウンセラーが案内します。
契約・会計:施術内容の決定と支払い手続き
| 担当者 |
|---|
| カウンセラーまたは受付スタッフ |
診察中に診療意思の確認が取れる場合でも、契約書面の締結を行うための業務が発生するため、診察室から場所を移動します。
診察室から契約締結場所までの誘導・案内
カウンセリング室に戻るケースと受付に戻るケースがあり、さらにカウンセラーが会計業務を行うのかどうかでも担当者は変わります。
処置・手術:施術の実施
| 担当者 |
|---|
| 医師・看護師 |
会計後の待機場所から処置室までの誘導・案内
契約後は看護師が帰宅まで案内を行うケースが多いです。
帰宅:アフターケアの説明と帰宅
| 担当者 |
|---|
| 看護師 |
処置室から帰宅までの誘導・案内
施術後のパウダールームの利用案内を含め、看護師が案内を行うケースが多いです。
各ステップに必要な空間を計画する
次に、各ステップに必要な空間を考えます。それぞれのステップで必要な部屋やエリアを以下のように配置します。また、スタッフの役割と導線を考慮することで、患者とスタッフ双方の利便性を向上させることが重要です。
- 受付エリア:患者が来院して最初に訪れる場所
- カウンセリング室:プライバシーを保ちながら詳細な相談ができる部屋
- 診察室:医師が患者を診察する部屋
- 契約・会計エリア:プライバシーを守りつつ契約や会計ができるエリア
- 処置室・手術室:施術を行う部屋
- 待合室:次のステップを待つためのエリア
各場所の要件・導線
受付エリア:患者が来院して最初に訪れる場所
必要な空間
- 広く見やすい受付カウンター
- 患者が座って待てる待合スペース
- プライバシーを考慮した相談カウンター
スタッフの導線
- 受付スタッフが常駐し、患者のチェックインをスムーズに行う
- 受付から待合室、カウンセリング室への導線を明確にし、迷わないように配置
- 受付スタッフが必要に応じてカウンセリング室や診察室への案内を担当
カウンセリング室:プライバシーを保ちながら詳細な相談ができる部屋
必要な空間
- 防音設備の整った個室カウンセリング室
- 患者がリラックスできるインテリアや設備
- 施術の資料やサンプルを展示するスペース
スタッフの導線
- 受付からカウンセリング室への案内をスムーズに行う
- カウンセリング終了後、カウンセラーが診察室への案内を担当
- 洗顔が必要な場合、洗顔エリアへの案内も含める
3. 診察室:医師が患者を診察する部屋
必要な空間
- 診察用の設備を整えた機能的な診察室
- 患者のプライバシーを確保するためのパーティションやカーテン
- 医師が常駐するためのデスクや医療機器
スタッフの導線
- カウンセリング室から診察室への短い導線
- カウンセラーが患者を診察室へ案内
- 診察終了後、カウンセラーまたは看護師が契約・会計エリアへの案内を担当
4. 契約・会計エリア:プライバシーを守りつつ契約や会計ができるエリア
必要な空間
- プライバシーを確保した個室または半個室の契約・会計ブース
- カウンターと座席を配置し、リラックスした環境で契約・会計ができるスペース
- 必要な書類や資料を準備できる収納スペース
スタッフの導線
- 診察室から契約・会計エリアへの案内をスムーズに行う
- カウンセラーが契約内容を説明し、必要な書類のサインを求める
- 契約・会計エリアから処置室への導線を短くし、患者の負担を軽減
5. 処置室・手術室:施術を行う部屋
必要な空間
- 清潔で衛生的な環境を維持するための処置室・手術室
- 必要な医療機器と施術用ベッドを配置
- 患者がリラックスできる照明やインテリア
スタッフの導線
- 契約・会計エリアから処置室への案内を看護師が担当
- 施術後、看護師がアフターケアエリアへの案内を行う
- アフターケア終了後、看護師が患者を帰宅まで案内
6. 待合室:次のステップを待つためのエリア
必要な空間
- 広々とした待合スペースに、快適な座席を配置
- リラックスできる雰囲気を醸し出すインテリア
- 雑誌や飲み物などの提供スペース
スタッフの導線
- 受付から待合室への案内をスムーズに行う
- カウンセリング室や診察室への呼び出しをスタッフが担当
- 待合室から各ステップへの導線を明確にし、迷わないように配置
各部屋の数を決める
各部屋の数を決める際には、患者の回転率を考慮します。回転率とは、一定期間内に何人の患者を対応できるかを示す指標です。これをもとに、以下の点を考慮して各部屋の数を決めます:
診察室の数
- 一日の診察数を予測し、医師が1回の診察にかける時間を考慮します。
- 例えば、一日に30人の診察を行い、1人あたりの診察時間が15分の場合、診察室が2室あれば医師2人で対応できます。
カウンセリング室の数
- 新規患者やカウンセリングが必要な患者数を考慮します。
- カウンセリング時間が長い場合、複数のカウンセリング室が必要になります。
処置室・手術室の数
- 処置や手術にかかる時間を考慮し、一日に対応する患者数を見積もります。
- 例えば、1回の処置に1時間かかり、一日に10人の処置を行う場合、処置室が2室あれば効率的に対応できます。
その他のエリア
- 受付エリアや待合室の広さも、患者の数や滞在時間に応じて適切に設定します。
具体的な部屋数の決定例
例えば、以下のような規模のクリニックを想定します:
- 一日の診察数:30人
- 一日のカウンセリング数:10人
- 一日の処置数:10人
- 診察時間:15分
- カウンセリング時間:30分
- 処置時間:1時間
この場合、以下のように各部屋の数を決定します:
- 診察室:2室(30人/1日 ÷ 2人/時間 × 8時間 = 2室)
- カウンセリング室:2室(10人/1日 ÷ 1人/30分 × 8時間 = 2室)
- 処置室:2室(10人/1日 ÷ 1人/1時間 × 8時間 = 2室)
まとめ
美容クリニックの内装工事において、診察室・処置室・カウンセリング室などの数を決める際には、患者の来院から帰宅までの一連の流れをイメージし、各ステップに必要な空間を計画することが重要です。以下のポイントを考慮して、効率的かつスムーズなクリニック運営を実現しましょう。
- 来院から帰宅までの流れをイメージする
受付、カウンセリング、診察、契約・会計、処置・手術、アフターケアの各ステップを明確にし、スタッフの役割と導線を設計します。 - 各ステップに必要な空間を計画する
受付エリア、カウンセリング室、診察室、契約・会計エリア、処置室・手術室、待合室など、各場所の要件と導線を考慮します。 - 各部屋の数を決める
患者の回転率を考慮し、一日の診察数、カウンセリング数、処置数に基づいて各部屋の数を決定します。
これらのポイントを踏まえて、患者とスタッフ双方の利便性を向上させる内装工事を計画しましょう。
