なぜ美容クリニックは患者様(お客様)との訴訟が頻繁なのか?

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美容クリニックへの転職を考えている医師の皆さんにとって、「この業界って訴訟が多いのかな?」という疑問や不安はつきものですよね。特に、美容医療は患者様の外見に直接影響を与える治療が中心ですから、患者様の期待も高く、時にはトラブルが起こることもあるかもしれません。

そこで今回は、美容クリニックにおける訴訟リスクについて、実際にどれくらいの頻度で訴訟が発生しているのか、また訴訟に至る前の状況や対策について、具体的に解説していきます。美容クリニックに転職を検討している医師が、安心して働ける環境を選べるように、訴訟リスクの実態をしっかりと把握しておきましょう。

訴訟が多いか少ないか、美容クリニック全体の実態は?

「美容クリニックは訴訟が頻繁だ」という印象を持たれることが多いですが、実際のところはどうなのでしょうか?美容医療は、外見に関わるデリケートな治療が多いことから、トラブルが発生しやすいというイメージがつきやすいかもしれません。とはいえ、全ての美容クリニックが訴訟リスクの高い環境というわけではありません。

現実には、クリニックごとに状況は大きく異なります。日常的にクレームが発生するクリニックもあれば、トラブルがほとんどないクリニックも少なくありません。クレームやトラブルが訴訟に発展するケースは、一部のクリニックに限られており、頻繁に起こるわけではないのです。

患者様の期待が大きい分、思い通りにならなかった際に不満を抱かれることはありますが、その多くはクリニック内部で解決されるもの。実際に訴訟に発展する事例は、美容クリニック全体の中ではごく一部に限られています。

日常的なクレームと訴訟の違い

美容クリニックでは、日常的にクレームが発生することはよくあります。予約が取りづらいとか、スタッフの接客態度が気に入らなかったとか、思ったより施術が高かった、仕上がりが期待と少し違った、などが典型的な例です。こうしたクレームは、美容クリニックでは日常的なものと言えますが、これがそのまま訴訟に発展するわけではありません

患者様が感じた不満の多くは、クリニック内部で対応できるものであり、例えばカウンセリングの見直しやアフターケアの強化によって解決されることがほとんどです。実際、訴訟まで発展するケースはごく稀です。むしろ、こうした日常的なクレームをどう対応するかが、訴訟リスクを避けるために重要なのです。

クレーム事例

一方で、訴訟に至る場合というのは、クレームの範囲を超えた重大なトラブルが発生した時です。このようなケースについては、次のセクションで詳しく解説します。

訴訟に発展するケース:技術やケアの問題

日常的なクレームは美容クリニックでよくあるものですが、訴訟に発展するケースは、技術的な問題や医療過誤など、患者様に深刻な影響を及ぼすトラブルが発生した時です。訴訟に至る状況は、主に次のような場合に限られます。

  • 予期せぬしびれが残るケース
    例えば、手術後にしびれが残り、回復が期待通りでない場合。こういったケースでは、患者様の身体機能に直接影響を及ぼすため、訴訟に発展しやすいです。
  • 感染による壊死
    手術後の感染症が原因で、組織が壊死してしまう場合。これに関しては、患者様の体質も影響するため、一概に医師の責任とは言えない部分もあります。しかし、適切なケアや事前の説明がなされていなかった場合、訴訟に繋がるリスクがあります。
  • 極端に悪い仕上がり
    脂肪吸引で皮膚がボコボコになったり、鼻の形が大きく歪んでしまった場合など、仕上がりが患者様の期待を大きく裏切るケースです。このような場合、技術的な問題や施術の計画自体に問題があったとされ、訴訟の対象となることがあります。

これらのケースでは、医師の技術やクリニックの管理体制が直接問われることが多いです。技術的な問題か否かによって、訴訟リスクが大きく変わってくるというのが、美容クリニックの現実です。

訴訟事例

訴訟が発生しやすいクリニックの特徴

美容クリニック全体として訴訟が頻繁に発生しているわけではありませんが、訴訟が発生しやすいクリニックには一定の特徴があります。転職を検討する医師の皆さんには、こうした特徴を把握し、訴訟リスクの高い環境を避けるための参考にしていただきたいと思います。

  • 未経験医師への不十分な教育
    未経験の医師に対して、十分なトレーニングや指導が行われていないクリニックでは、技術的なミスが発生しやすくなります。これは患者様の期待に応えられなかったり、施術後のトラブルが生じる原因となり、訴訟に繋がるリスクが高まります。
  • リスク管理やアフターケアが不十分
    手術後の経過管理やリスクの説明が不足していると、患者様が予期しないトラブルに直面した際に、クリニックへの不信感が募ります。これが訴訟に発展する大きな要因となることがあります。
  • トラブル発生時の対応が遅れる
    クレームやトラブルが発生した際、迅速かつ丁寧に対応しないクリニックでは、患者様が法的手続きを選択する可能性が高まります。トラブル対応に対して適切な体制が整っていない場合、問題が大きくなりやすいです。

これらの特徴を持つクリニックでは、訴訟リスクが高くなる傾向があります。一方で、しっかりとした教育体制やアフターケアのシステムが整っているクリニックでは、リスクを回避しやすくなり、安心して働ける環境が整っていると言えるでしょう。

とはいえ、技術や対応が問題なくても、環境や状況によっては訴訟が起こりやすいと捉えられてしまう、訴訟が発生しやすいと見られるクリニックもあります。必ずしも技術や対応が不十分だからという理由ではなく、むしろクリニックの規模や専門性、件数の多さが原因で目立ってしまうことがあるからです。

  • 大手美容クリニック
    大手の美容クリニックは、手術件数が非常に多く、知名度も高いことから、トラブルが発生した際に目立ちやすい傾向にあります。たとえ稀なケースでも、患者様やメディアの目に留まりやすく、「訴訟が多い」と思われがちです。また、手術件数が多い分、発生率自体は小さくても、絶対数としてトラブルが出やすいのも事実です。
  • 専門クリニック
    脂肪吸引や豊胸手術など、特定の治療に特化した「専門クリニック」も訴訟リスクが高いと見られることがあります。これらの施術は、技術力が重要であることに加え、患者様の体質が大きく関与するため、思わぬ結果が出ることも少なくありません。専門だからこそ手術件数が多く、その分トラブルが発生する可能性も普通のクリニックに比べて高くなります。

これらのクリニックでは、技術や対応が必ずしも不十分でないにも関わらず、捉えられ方によって訴訟が発生しやすい環境にあると言われがちです。また、大手クリニックや専門クリニックでは、クレーム処理専門部署を設置していることも多く、訴訟リスクに対する管理体制を整えている場合もあります。そうした背景もあるため、大なり小なりの訴訟を抱えている可能性は否定できませんが、これがそのまま「訴訟が頻繁」という印象に繋がるわけではないことを理解しておきましょう。

訴訟リスクを減らすために転職先で確認すべきポイント

美容クリニックへの転職を検討している医師にとって、訴訟リスクを最小限に抑えることは非常に重要です。ここでは、転職先を選ぶ際に確認すべきポイントを挙げていきます。これらをチェックすることで、安心して働けるクリニックを見極める助けとなるでしょう。

  • インフォームドコンセントの徹底度合い
    患者様に対するリスク説明がしっかり行われているかどうかは、非常に重要なポイントです。リスクを正確に伝えることで、患者様が施術後の結果について適切な期待を持ち、トラブルが未然に防がれます。説明が不十分なクリニックでは、患者様の不安や不満が訴訟に繋がるリスクが高まります。
  • クレーム対応やアフターケア体制
    クリニックがクレームやトラブルにどのように対応しているかも重要です。トラブルが発生した際に、迅速かつ丁寧な対応が行われていないクリニックは、患者様との信頼関係を築くことが難しく、訴訟に発展する可能性が高くなります。また、アフターケアがしっかり行われているかも確認しましょう。
  • 医療スタッフのスキルとトレーニング
    スタッフへの定期的なトレーニングが行われているかも重要です。クリニックが技術向上に取り組んでいるか、またスタッフが最新の技術や知識を習得しているかを確認することが大切です。技術がしっかりとしたクリニックは、トラブルを避けるための重要な要素を持っています。
  • トレーニング期間が極端に短いクリニック
    転職先を選ぶ際に注意すべき点の一つが、「トレーニング期間が極端に短い」クリニックです。中には、「すぐに即戦力になれる」といった求人を行うクリニックもありますが、実際にはそのように短期間で十分な技術を身につけることはほぼ不可能です。技術習得には時間と経験が必要で、こういった短期間での即戦力化を期待される環境では、訴訟リスクが高まる可能性があります。短期間で高い技術を求められるクリニックには注意が必要です。
  • クリニックの評判や過去の訴訟実績
    過去にどのようなトラブルがあったか、クリニックの評判はどうかについてもリサーチしておきましょう。評判が良く、訴訟が少ないクリニックは、技術や対応がしっかりしている証拠です。事前にしっかり調べておくことで、リスクを避けやすくなります。

結論:訴訟リスクは管理体制次第で大きく変わる

美容クリニック全体として「訴訟が頻繁に発生している」といったイメージを抱きがちですが、実際にはクリニックによって状況は大きく異なります。技術や対応が整ったクリニックでは、訴訟リスクを最小限に抑えることが可能です。

まず、インフォームドコンセントが徹底されているかクレームやアフターケアの対応がしっかりしているかが、訴訟リスクに大きな影響を与えます。また、クリニック内での教育体制やトレーニングが充実しているかも重要な要素です。さらに、「即戦力がすぐに身につく」など、現実的でない求人やトレーニング期間の短さに注意することも、転職先を選ぶ際には重要です。

訴訟リスクを軽減するためには、転職先のクリニックがどれだけリスク管理に取り組んでいるかを見極めることが大切です。リスク管理やトレーニング、クレーム対応が整ったクリニックでは、訴訟が発生する確率は低く、安心して働くことができるでしょう。

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この記事を書いた人

NRSK JAPANのアバター NRSK JAPAN ビューティメドラボ代表

美容医療業界において、経営、マーケティング、店舗開発、運営などあらゆる分野で豊富な経験を持つエキスパート。いつか誰かの役に立つ人になりたくて「ビューティメドラボ」を開設。加速する老化に逆らいながら、化粧品検定3級の資格を活かしてこれまでに培ってきた知見を書き残しています。
令和3年12月9日:初めての美容クリニック開業まるわかりガイド執筆開始(すぐに頓挫する)
令和6年7月1日:ビューティメドラボ公開
令和6年8月31日:化粧品検定3級合格
防火管理者としての経験も併せ持つマルチな才能を存分に発揮すべく、ビューティメドラボの更新活動を精力的に行っている。