研修医あがり(ちょくび)で美容外科に就職予定。初めてのカウンセリングで患者さんとどう接すればいいのか?

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美容外科に転科を検討している研修医(直美・ちょくび)の皆さん、または新しいキャリアに挑戦しようとしている医師の皆さん、こんにちは。美容外科は、他の診療科とは異なる独自の魅力と難しさがあります。その中でも特に重要なのが「カウンセリング」です。患者さんとの最初の接点であり、信頼関係を築くための非常に大切なステップですが、カウンセリング経験が少ないと、不安に感じることも多いでしょう。

この記事では、カウンセリング未経験の方でも、美容外科で患者さんと上手に接するための基本的なポイントを解説します。美容外科におけるカウンセリングとは何か、どうすれば患者さんとのコミュニケーションがスムーズに進むのか、具体的な例を交えながら分かりやすくお伝えします。

美容外科のカウンセリングとは?

美容外科におけるカウンセリングは、単なる問診とは異なります。ここでのカウンセリングは、患者さんの美的な希望や不安、そして期待を理解し、それに対して最適な提案を行うことが求められます。美容外科では、治療の選択肢が多岐にわたるため、患者さんが自分に合った治療を選べるよう、しっかりとサポートする役割を担います。

カウンセリングの流れ

カウンセリングの流れは、クリニックによって少し異なる場合があります。カウンセラーがいるクリニックでは、事前にカウンセラーがカウンセリングを行い、その情報を医師に共有してから、医師が最終的なヒアリングや治療提案を行うこともあります。この場合、カウンセリングは以下のような流れになります。

STEP
カウンセラーからの情報共有

カウンセラーが事前に行ったカウンセリングの内容を共有してもらい、患者さんの希望や悩み、既に話し合った治療オプションなどを把握します。この段階で、カウンセラーが得た情報を活用して、患者さんとのコミュニケーションを円滑に進めることが重要です。

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初対面での挨拶とリラックスさせる雰囲気作り

患者さんが緊張している場合も多いため、まずはリラックスしてもらうことが大切です。笑顔で迎え、フレンドリーな雰囲気を作りましょう。

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医師によるヒアリングと治療法の提案

共有された情報を基に、患者さんに追加で質問をしながら、具体的な治療法を提案します。この際、治療法のメリットとデメリット、期待できる効果などを分かりやすく説明し、患者さんが納得できる選択をサポートします。

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質問に答える時間を設ける

患者さんが不安や疑問を抱えている場合、それに丁寧に答えることが大切です。ここでの質問対応が、患者さんとの信頼関係を深めるポイントになります。

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次のステップの確認

カウンセリングの最後には、次にどのような手続きや治療が待っているのかを患者さんに明確に伝えます。スムーズな治療の進行をサポートするために、この段階をきちんと踏んでおきましょう。

このように、カウンセラーがいるクリニックでは、事前に行われたカウンセリング内容を活用して、より効率的かつ患者さんに安心感を与えるカウンセリングが可能になります。カウンセラーと医師が協力し、患者さんのニーズに合わせた対応を行うことが成功の鍵です。

患者さんとの初対面:第一印象が大切

1. 笑顔とアイコンタクトを忘れずに

最初に患者さんと対面するときには、自然な笑顔とアイコンタクトを意識しましょう。笑顔は、相手に安心感を与え、リラックスした雰囲気を作り出す効果があります。また、アイコンタクトをしっかり取ることで、患者さんに対して「あなたの話をちゃんと聞いています」という姿勢を示すことができます。

2. 丁寧な言葉遣いを心がける

初対面の際は、丁寧な言葉遣いを心がけることが重要です。患者さんは美容外科に来院する際、少なからず不安や緊張を抱いていることが多いです。そのため、言葉遣いが丁寧であることで、患者さんに安心感を与えることができます。言葉のトーンや表現に気を配り、患者さんに対して敬意を持って接する姿勢を示しましょう。

3. 自己紹介を丁寧に行う

初対面の際には、簡潔で丁寧な自己紹介を行いましょう。例えば、「こんにちは、○○クリニックの△△医師です。今日はお越しいただきありがとうございます」といったシンプルでわかりやすい挨拶が効果的です。また、自己紹介を通じて、患者さんとの距離感を縮めることができます。

名札を付けるクリニックであれば、名札を見せるようにすることも大切です。名札を見せることで、患者さんがあなたの名前や役職を確認しやすくなり、信頼感を高めることができます。特に、初めての対面では、患者さんがあなたの名前を覚えやすくなる効果も期待できます。

4. 患者さんの話に耳を傾ける

初対面の場面では、まず患者さんの話にしっかり耳を傾けることが大切です。焦らずに、患者さんが何を望んでいるのか、何に不安を感じているのかをじっくり聞き取りましょう。ここでしっかりと話を聞くことで、患者さんは「この医師は自分のことを理解してくれている」と感じることができます。

5. ポジティブな姿勢を示す

どんなに緊張していても、ポジティブな姿勢を保つことが大切です。患者さんに対して、自信を持って提案や説明を行い、「この先生なら安心して任せられる」と思ってもらえるように努めましょう。ポジティブな姿勢は、患者さんにとっても心強いものです。

フレンドリーな雰囲気づくりって必要?

フレンドリーな雰囲気作りが必ずしも全ての美容外科に必要かというと、一概には言えません。クリニックのブランドイメージや、ターゲットとする患者層によっても大きく異なります。例えば、高級志向のクリニックでは、少し堅苦しくてもフォーマルな対応が求められることがあります。そのため、フレンドリーさが必須というわけではなく、クリニックの方針や患者さんのニーズに応じた柔軟な対応が重要です。

患者さんの話に耳を傾ける

カウンセリングの場面では、患者さんの話をしっかりと聞くことが最も重要です。患者さんが何を求めているのか、どんな不安を抱えているのかを理解するためには、ただ聞くだけではなく、「傾聴」の姿勢が求められます。ここでは、患者さんの話に耳を傾ける際のポイントをいくつか紹介します。

1. 患者さんの言葉を繰り返す

患者さんの言葉を繰り返すことで、しっかりと話を聞いていることを示すことができます。例えば、患者さんが「最近、顔のたるみが気になっているんです」と言った場合、「顔のたるみが気になっているんですね」と繰り返すことで、患者さんは「この先生は自分の話を理解してくれている」と感じるでしょう。

2. 質問を交えながら話を深掘りする

患者さんの話を聞きながら、適切な質問を交えることで、話を深掘りし、より具体的な情報を引き出すことができます。例えば、「どの部分のたるみが特に気になりますか?」と質問することで、患者さんが抱える具体的な悩みを詳しく知ることができます。

3. 間を持たせることで患者さんに考える時間を与える

話を聞いている間に、時折間を持たせることで、患者さんに考える時間を与えることができます。これにより、患者さんは自分の思いや感じていることを整理して伝えることができるようになります。

4. 反応を見ながら柔軟に対応する

患者さんが話している最中の表情や態度を観察し、反応に合わせて柔軟に対応することが重要です。もし、患者さんが不安そうにしている場合は、「何か気になることがありますか?」と声をかけてみることで、患者さんの気持ちに寄り添うことができます。

5. ポジティブな姿勢を示す

患者さんと接する際、ポジティブな姿勢を示すことは非常に重要です。ポジティブな姿勢とは、患者さんの悩みや不安を理解しつつも、前向きな提案やアドバイスをすることです。例えば、「この治療で改善が期待できます」といった言葉をかけることで、患者さんは安心感と期待感を持つことができます。ポジティブな姿勢は、患者さんに信頼される医師としての印象を強める要素となります。

6. 記録を取りながら話を聞く

患者さんの話を聞きながら、必要な情報をメモしておくことも大切です。これにより、後で話を振り返る際に役立ちます。また、患者さんが「この先生はしっかりと自分の話を覚えてくれている」と感じることで、信頼感が高まります。

分かりやすい説明を心がける

カウンセリングにおいて、患者さんに施術内容やその効果を理解してもらうことは非常に重要です。ここでは、専門用語を避けた平易な説明や、視覚的なツールを活用することで、患者さんが安心して治療を受けられるようにするためのポイントを紹介します。

1. 専門用語を避け、平易な言葉で説明することの重要性

医療現場では、専門用語が日常的に使われますが、患者さんにとってはそれが理解しづらいことが多いです。カウンセリングの際には、できるだけ専門用語を避け、日常的な言葉で説明することを心がけましょう。例えば、「リフトアップ」や「たるみ改善」といった一般的に理解されやすい表現を使うことで、患者さんに安心感を与えることができます。

2. 図や写真を使った視覚的な説明の活用

言葉だけでなく、図や写真などの視覚的なツールを使うことで、患者さんにより具体的なイメージを持ってもらうことができます。例えば、手術のビフォーアフターの写真を見せたり、施術の手順を図で説明したりすることで、患者さんが理解しやすくなります。視覚的な情報を提供することで、説明がよりわかりやすくなり、誤解を防ぐことができます。

また、手描きの図やイラストを使うことで、「あなたのために」という姿勢を伝えることも効果的です。手描きのメモやイラストは、機械的な説明よりも温かみがあり、患者さんに対して特別な対応をしているという印象を与えられます。こうした工夫を加えることで、患者さんとの信頼関係をさらに深めることができます。

3. 患者さんの理解度を確認しながら進める方法

説明を進める中で、患者さんがどれだけ理解しているかを確認しながら進めることが大切です。「ここまでで何か質問はありますか?」や「ご理解いただけましたか?」といった確認の言葉を投げかけることで、患者さんがしっかりと内容を理解しているかを確認できます。また、必要に応じて説明を繰り返したり、補足を加えたりすることで、患者さんの理解を深めることができます。

患者さんのニーズに応える提案をする

カウンセリングの際、患者さんのニーズに応える提案を行うことは非常に重要です。ただし、提案を行う際には、いくつかのポイントをしっかりと考慮する必要があります。ここでは、患者さんに最適な提案をするための基本的なガイドラインを解説します。

1. 自分の術式の範囲にこだわらない

カウンセリングでは、自分が対応できる(または対応許可が下りている)術式の中だけで決して提案を完結させてはいけません。患者さんのニーズに対して、最も適した治療法を提案することが求められます。もし自分の技術範囲外の術式や他の先生が得意とする施術が患者さんにとって最適であれば、その選択肢を提案することが大切です。美容外科においては、患者さんの満足度が最優先です。自己のスキルや技術に固執せず、患者さんに最良の選択肢を提供することを常に心がけましょう。

2. 他の先生への紹介を検討する

自分の技術範囲外であるが、患者さんのニーズに合った術式が存在する場合、その術式を担当できる他の先生への紹介を検討することが重要です。例えば、自分が得意としない術式があり、それが患者さんに最適だと判断した場合、他の先生にバトンタッチすることは、患者さんにとっての最善の選択肢となります。クリニック全体で患者さんにベストな治療を提供するという姿勢が、信頼関係の構築に繋がります。

3. 基本的には対応できる患者しか予約が入らない

基本的に、予約段階で患者さんの希望する治療内容やニーズに基づき、対応可能な範囲の患者さんだけが予約されるようになっています。したがって、カウンセリングの場では、すでに対応可能な範囲の治療を前提に提案を行うことが多くなります。しかし、それでも患者さんのニーズに応じて、より適した提案をするためには、前述のように他の選択肢や専門家を紹介することが求められる場面があることを忘れないようにしましょう。

4. 患者さんの立場に立った提案を

提案を行う際には、常に患者さんの立場に立ち、彼らがどのような結果を望んでいるのかを深く理解した上で行うことが重要です。提案が患者さんの希望に沿ったものであるかを確認し、彼らが安心して治療に臨めるよう、適切なサポートを提供することがカウンセリングのゴールです。

患者さんに逃げ場をつくることの重要性

美容外科のカウンセリングでは、患者さんが施術を受けるかどうかを慎重に決断できる環境を提供することが大切です。ここでは、なぜ「逃げ場」を作ることが必要なのか、その理由と方法について解説します。

1. ゴリ押しに感じられないための配慮

患者さんがカウンセリング中に強く施術を勧められると、プレッシャーを感じてしまい、結果的に不安を抱えることになります。これを避けるために、カウンセリングでは患者さんに「逃げ場」を提供し、最終決断を自分で行う余地を残しておくことが重要です。「こちらが最適な選択肢だと思いますが、もう少し考えてから決めていただいても大丈夫です」といった言葉を使うことで、患者さんに安心感を与えることができます。

2. 患者さんに「やっぱりやらない」と言える環境を作る

美容外科の施術は大きな決断を伴うものです。患者さんが「やっぱりやらない」と言える環境を整えることで、彼らがプレッシャーを感じず、自分のペースで決断を下せるように配慮することが大切です。たとえば、カウンセリング後に「一度ご自宅でゆっくり考えてからご連絡いただいても結構です」と伝えることで、患者さんは選択肢を持つことができます。

3. 逃げ場を与えつつ契約を逃さない方法

逃げ場を与えることは、契約を逃がしてしまうリスクも伴います。そのため、適切なバランスを保つことが重要です。たとえば、患者さんに「ご不安な点があれば、次回のご相談でしっかりとお話しましょう」といった形でフォローアップの機会を提供することで、再度契約のチャンスを作り出すことができます。こうした柔軟な対応が、患者さんにとっての信頼を獲得しつつ、契約を維持する鍵となります。

長期的な関係を築くためのサポート

美容外科において、医師個人が患者さんとの長期的な関係を築くためにできることは、細やかな配慮と継続的なコミュニケーションです。ここでは、医師個人が行える具体的なサポート方法を解説します。

1. 手術前の声掛け

手術前に患者さんへ声をかけることは、患者さんの不安を和らげるために非常に重要です。手術が始まる前に、簡単な挨拶や、手術の流れについて再確認することで、患者さんに安心感を与えることができます。また、「何か気になることがあれば、遠慮なくおっしゃってください」といった声掛けをすることで、患者さんがリラックスしやすい環境を作り出すことができます。

2. 手術中の声掛け(覚醒している場合)

手術中に患者さんが覚醒している場合には、定期的に声をかけることが重要です。「大丈夫ですか?」や「今、どのような処置を行っています」といった簡単な説明を交えることで、患者さんが状況を把握し、安心して手術を受けることができます。特に不安を感じている患者さんには、落ち着いたトーンで声をかけることが効果的です。

3. 手術後の声掛け

手術が終わった後、患者さんに対して声をかけることで、術後の安心感を提供することができます。例えば、手術後に鏡を見せながら、「今は腫れや出血が少しありますが、2週間ほど我慢してくださいね。その後、自然な仕上がりになります」といった声掛けを行い、患者さんに術後の経過について説明することが大切です。こうした声掛けによって、患者さんは術後の経過について理解し、不安を軽減することができます。

4. フォローアップの提案

手術後のフォローアップとして、相乗効果が期待できる治療を提案することも、患者さんとの関係を深める一つの方法です。例えば、「3カ月後に追加の治療を行うことで、さらに効果が高まりますよ」といった提案をすることで、患者さんにとって最良の結果を提供するサポートを続けることができます。こうした提案は、患者さんがクリニックに対する信頼感を持ち、長期的に通院する動機づけにもなります。

5. 患者さんのフィードバックに目を通す

アンケートを実施しているクリニックの場合、患者さんからのフィードバックに目を通すことも重要です。自分が担当した患者さんがどのように感じているのかを把握し、必要に応じて改善点を見つけることができます。また、ポジティブなフィードバックがあれば、それを励みにすることで、さらに良いケアを提供するモチベーションにつながります。

まとめ

美容外科でのカウンセリングや施術の過程において、患者さんとの信頼関係を築くことは何よりも重要です。この記事で紹介したように、カウンセリングの際には患者さんに寄り添い、分かりやすい説明と適切な声掛けを通じて、不安を取り除くことが大切です。また、患者さんに対して「逃げ場」を提供することで、プレッシャーを感じさせず、最終的な決断を自分で行える環境を整えることも必要です。

さらに、手術前後や手術中の細やかな配慮、そして術後のフォローアップを通じて、患者さんが安心してクリニックに通い続けられるようなサポートを提供することが、長期的な信頼関係を築くための鍵となります。

最後に

これから美容外科医としてキャリアを積んでいく中で、この記事で紹介したポイントを実践に移し、患者さんに対して最高のケアを提供することを目指しましょう。毎回のカウンセリングや施術が、患者さんとの信頼関係を築くための貴重な機会であり、その一つ一つがあなたのスキルや信頼性を高めるためのステップとなります。自信を持って一歩一歩進んでいきましょう!

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この記事を書いた人

NRSK JAPANのアバター NRSK JAPAN ビューティメドラボ代表

美容医療業界において、経営、マーケティング、店舗開発、運営などあらゆる分野で豊富な経験を持つエキスパート。いつか誰かの役に立つ人になりたくて「ビューティメドラボ」を開設。加速する老化に逆らいながら、化粧品検定3級の資格を活かしてこれまでに培ってきた知見を書き残しています。
令和3年12月9日:初めての美容クリニック開業まるわかりガイド執筆開始(すぐに頓挫する)
令和6年7月1日:ビューティメドラボ公開
令和6年8月31日:化粧品検定3級合格
防火管理者としての経験も併せ持つマルチな才能を存分に発揮すべく、ビューティメドラボの更新活動を精力的に行っている。