美容外科医という職業は、人々の美意識の高まりとともに、ますます注目を集めています。しかし、美容外科医になるには、医学的な知識や技術だけでなく、様々な要素が必要となります。この記事では、美容外科医になるための道、特に形成外科の経験がどのように役立つのか、そして、美容外科医としてのキャリアパスについて詳しく解説します。
形成外科の経験が美容外科に活きる理由

形成外科は、先天的な奇形や外傷、腫瘍などによって損なわれた身体機能や外見を回復させることを目的とする外科の一分野です。美容外科も、外見をより美しく、若々しくしたいというニーズに応えるものです。一見異なるように思えるこれらの分野ですが、実は多くの共通点があります。
基礎的な技術の習得
形成外科では、皮膚の縫合、組織の移植、顔面骨の手術など、美容外科で必要となる基本的な手術技術を習得できます。
剖学・生理学の深い理解
形成外科は、身体の構造や機能を深く理解することが不可欠です。この知識は、美容外科の手術を行う上でも非常に重要となります。
美的センスの養成
形成外科では、機能回復だけでなく、外見の改善も重視されます。美的センスを養うことで、より自然で美しい仕上がりを目指せるようになります。
患者とのコミュニケーション
形成外科では、外見にコンプレックスを抱える患者さんを多く診ます。患者さんの気持ちを理解し、適切なコミュニケーションを取ることが求められます。
形成外科の経験が美容外科医としてのキャリアに与える影響

形成外科の経験は、美容外科医としてのキャリアに大きな影響を与えます。形成外科は、身体の機能回復や外見の改善を目的とした手術を行う分野であり、美容外科の基礎となる多くの技術や知識を提供します。この経験を持つことで、美容外科医として以下のようなメリットがあります。
技術的な基盤の強化
形成外科で学ぶ手術技術や解剖学の知識は、美容外科においても重要です。例えば、皮膚の縫合技術や顔面骨の手術技術などは、美容外科の高度な施術にも応用されます。これにより、美容外科医としての技術的な基盤が強化されます。
患者さんからの信頼度向上
形成外科の経験を持つ医師は、患者さんからの信頼度が高まります。「形成外科の経験のある医師に施術を受けたい」と考える患者さんも多いため、この経験は美容外科医としてのキャリアにおいて大きなアドバンテージとなります。
幅広い施術への対応力
形成外科での経験により、美容外科における幅広い施術に対応できるようになります。例えば、顔面の骨切り手術や脂肪吸引などの高度な施術にも対応可能となり、患者さんに提供できる治療の選択肢が広がります。
形成外科専門医の取得方法

形成外科専門医を取得するためには、以下のステップを踏む必要があります。
まず、2年間の初期臨床研修を修了します。この期間に基礎的な臨床能力を身につけます。
初期臨床研修を修了した後、形成外科の専門研修プログラムに参加します。このプログラムは通常4年間続き、形成外科のすべての領域に関する実践的な研修を行います。
専門研修を修了した後、日本形成外科学会が実施する資格試験に合格することで、形成外科専門医として認定されます。
※専門医資格は3年ごとに更新が必要です。
形成外科専門医を取得するメリット
形成外科の経験は、美容外科医としてのキャリアにおいて非常に重要です。形成外科での技術と知識は、美容外科での高度な施術にも応用され、患者さんからの信頼度を高めることができます。形成外科専門医を取得することで、さらに高度な技術と知識を証明し、美容外科医としてのキャリアを大きく発展させることが可能です。
形成外科専門医を取得することには、以下のようなメリットがあります。
高度な技術と知識の証明
形成外科専門医は、形成外科および美容外科に関する高度な技術と知識を持つことの証明となります。これにより、美容専門クリニックへの就職でも有利になる他、患者さんからの指名も受けやすくなります。
高度な施術への対応力
専門医を取得することで、顔面の骨切り手術や脂肪吸引などの高度な施術にも対応できるようになります。これにより、美容外科医として提供できる治療の幅が広がり、患者さんのニーズに幅広く応えることができます。
キャリアの発展
形成外科専門医は、美容外科医としてのキャリア発展にも大きな影響を与えます。専門医資格を持つことで、クリニックの開業や院長職への昇進など、キャリアの選択肢が広がります。
形成外科専門医を取得に必要な学びができる施設

形成外科専門医を取得するためには、専門的な研修を受けることができる施設で学ぶことが重要です。以下は、日本で形成外科の専門研修が受けられる主な施設やその特徴です。
大学病院
多くの大学病院では、形成外科専門医の研修プログラムが整備されています。大学病院では、最先端の医療技術を学ぶ機会が豊富であり、多様な症例に触れることができます。
- 北海道大学病院 形成外科(北海道札幌市)
- 札幌医科大学附属病院(北海道札幌市)
- 東北大学病院(宮城県仙台市)
- 東京大学医学部附属病院(東京都文京区)
- 慶應義塾大学病院(東京都新宿区)
- 京都大学医学部付属病院(京都府京都市)
- 大阪大学医学部附属病院(大阪府吹田市)
- 九州大学病院(福岡県福岡市)
特徴
- 最先端の医療技術を学ぶことができる
- 多様な症例に触れる機会が多い
- 研究活動や学会発表の機会がある
たとえば、京都大学医学部附属病院も形成外科専門医の取得に必要な学びができる施設の一つですが、京都大学形成外科研修プログラムでは、基幹施設での研修1年と連携施設での研修3年が標準となっており、以下のような連携施設での研修も含まれます。
- 京都医療センター
- 京都第一赤十字病院
- 京都桂病院
- 宇治徳洲会病院
- 大津赤十字病院
- 大阪赤十字病院
総合病院
総合病院でも形成外科専門医の研修が行われている施設があります。総合病院では、幅広い診療科との連携が強く、多くの異なる症例を経験することができます。
- 聖路加国際病院(東京都中央区)
- 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)
- 済生会横浜市東部病院(神奈川県横浜市)
- 大阪市立総合医療センター(大阪府大阪市)
特徴
- 幅広い診療科との連携がある
- 多くの異なる症例を経験できる
- 地域医療に貢献する経験が積め
これらの総合病院でも、形成外科専門医の資格取得に必要な教育と実践の場を提供しています。
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形成外科専門医が取得できる美容クリニックはある?

美容クリニックで形成外科専門医の研修を受けられるクリニックは残念ながらありません。形成外科専門医の取得には、一定の研修施設での実践経験と学会が定める研修プログラムの修了が必要となるため、このような研修は大学病院や総合病院、形成外科専門の病院で行われます。
美容クリニックの勤務では形成外科専門医が取得できない理由
認定研修施設の要件を満たしていない
形成外科専門医を取得するためには、日本形成外科学会が認定する研修施設での実践経験が必要です。これらの施設は、教育プログラム、症例数、指導医の資格などが厳しく審査されています。美容クリニックは、これらの要件を満たすことが難しい場合が多いです。
多様な症例の経験
形成外科専門医の研修には、外傷や再建手術など、広範な症例に対応する経験が必要です。美容クリニックは主に美容目的の治療を提供するため、このような多様な症例に対応する機会が限られています。
形成外科専門医取得後の美容クリニックでのキャリア
多くの美容外科医は、形成外科専門医の資格を取得した後に美容クリニックでキャリアを積むことが一般的です。この順序により、高度な形成外科の技術と知識を美容外科の施術に応用することができます。
美容クリニック自体で形成外科専門医を取得するための研修を受けることは困難ですが、形成外科専門医の資格を持つ医師が美容クリニックで働くことは一般的です。形成外科専門医を目指す場合、まずは大学病院や総合病院などの認定研修施設で経験を積み、専門医資格を取得した後に美容クリニックでキャリアを積むことをお勧めします。
